主に現代では身近になったスマートフォンを題材に作品を制作。
スマートフォンを現代の”額”と捉えて内部に直接描き、アナログの絵画にしている。

今ではスマートフォンでInstagramやTwitterなどに投稿された絵画や写真を見る機会が多くなった。
本来絵や写真が飾られている”額”の機能がスマートフォンも同じような役割を果たしてしまっている。
多くの現代人にとっては本来の”額”よりもスマートフォンのほうが圧倒的に見る時間が長く、本来の額よりも額としての機能を持っているのではないか。
このような絵画のあり方について疑問を持ち、本作品群を制作している。

本作品はスマートフォンを額と捉え、実際に使われていた中古のスマートフォンを解体し、内部に直接アクリルや油絵の具で描いている。
スマートフォンのガラス越しにデジタルではなくアナログの絵画を直接見るという違和感が本作品の面白さの一つ。

主な題材は歴史上の名画や昆虫の標本、SNSでよく投稿される風景や空の写真など。
作品タイトルは全て#（ハッシュタグ）で構成されている。

スマートフォン自体が見慣れている現代と、いつか使われなくなった未来とで印象の変わる作品となっている。