教育とは暴力であり、暴力の洗礼をくぐり抜けた者だけが共同体の仲間として認められる。強烈な外傷によって、獣は社会性を獲得して人になる。

暴力を与える主体は存在するが、教えに主体はない、誰も主体となり得ない。暴力は現実だが、教えに形はない。だが形にしなければ人は覚えていられない。暴力は現象で、すぐに消える。だが傷跡は消えない。傷跡が残るほどの暴力でしか人は形作られない。

言葉や文字が教えを継承して、暴力は連鎖する。延々と不具者が造られていく。そして傷跡は形となる。人は傷跡のある獣となり、暴力を書き留めておく書物となる。

安らかなる時代は、おそらく永劫にない。それを忘れることも人が許さない。

Mezzotint
通常、銅版画は線表現に向いているのですが、メゾチントは面表現や明暗表現に向いた技法です。
他の版画技法のように大量複製には向きませんが、深い黒から滲み出るような鳥人たちをお楽しみください。