Exhibition
Recommend wall企画展
めかぶ 作品展「幸福依存症」
めかぶ
会期:2024.03.05(TUE)- 2024.03.31(SUN)
12:00 - 19:00 (最終日 16:00 まで 月曜休廊)
写真とは、現実の一部を切り取り、それを現実に投げ返すことによって現実そのものを批評することである。
写真に映し出された現実は常に過去しか記録されておらず、その過去は撮影者が見たものではなく、カメラが見た過去である。人間ではないカメラが見た過去は撮影者の過去でもなく鑑賞者の過去でもないから、記憶を共有できないように、誰の過去でもない。
しかし、カメラの見た過去は人間の見る現実とは異なる視点を提示することで、誰のものでもないからこそ誰もが共有する過去となり、いつか誰かがそこにいた証となって、世界と我々との結びつきを与えてくれる。だから、存在する目的が世界と結びつくことにあるSNSは、実は写真ととても相性がよい。
時として写真は、現実よりも現実的な、超現実のイメージを作り出す。こうした現実との落差の大きさは、鑑賞者の幸福の大きさと一致する。SNSにおける映えとは、現実を超えた現実を求め、更なる幸福を得ようと渇望する概念であり、いいねは、幸福を求めて得られたことの身体的発露である。そして、幸福を求める潜在的共同体がそこに産まれたことを示しているものが、バズなのだ。