Roonee 247 Fine Arts(ルーニィ・247ファインアーツ)

Exhibition

Room 1個展

林朋彦写真展「トコヤのカタチ」

林 朋彦

会期:2019.09.17(TUE)- 2019.09.22(SUN)

12:00-19:00(最終日16:00)

カタカタと音を出し回っている古いサインポール、待合いに並んだマンガ本、無造作 にあるいは整然と並んだ土産物、ツヤのある理容椅子のレザー、割れたら替えのない古い窓ガラス、何十年も前の冷房装置。
懐かしいから撮っている訳ではない。
床屋さんで懐かしいと思えるのは匂い。
あの整髪料やタオルの匂いは通ったことがある人なら記憶にあると思う。
匂いはもちろん写らない。何が良くて撮っているのか。
要するにカメラの中で独り占めしたくなるカタチなんだと思う。

何気なく始めた床屋撮影も、撮りに行かないと気が急くようになって久しい。
初めての個展を終えた後、床屋の写真撮影を続けようとは思っていなかった。
しかしながら写真展というものは、一回開くとどうも二回、三回と開きたくなるようで、早速次のテーマを試していた。そんな中、地方でもどこでも出先に床屋があるとどうしても気になってしまうといった按配。
そして、結局元の鞘に収まり現在に至っている。

以前のようにただ歩いて床屋を探すこともなくなり、今は旅先で偶然見つけたとか、知人に教えてもらったとか、あとはインスタグラムなどのネットも活用している。
特にインスタでは広範囲に情報が得られるので、だいぶ個性的な店が見つかる。
インスタにポストするようになって意外だったのは、店の外観の方が人気があるということ。
床屋撮影を始めてからずっと外観は内観のB面ぐらいにしか思っていなかったのだけど、それに影響されたせいもあって最近、両方A面という見方になって来た。
ようやくレコードからCDになったという寸法である。

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