Roonee 247 Fine Arts(ルーニィ・247ファインアーツ)

Exhibition

竹本英樹(フリーフォトグラファー・鎌倉市在住)

2005年、路上写真売りからキャリアをスタート。地元札幌で展示を重ね、2007年にはディーゼル・ニュー・アートに入賞(イタリア)。2013年にはレヴュー・サンタフェ(アメリカ)に招待され、以降国内外での展示、アート・フェアへの参加は多数。2018年から2年連続モスクワ・インターナショナル・フォト・アワードで同賞を受賞。今年春には自身の作品を約300点使用したホテルが、京都市四条にオープンした。

Room 1個展

竹本英樹 写真展 明日の朝、目覚めたら Will I wake tomorrow…

竹本英樹

会期:2020.12.08(TUE)- 2020.12.13(SUN)

12:00-19:00(最終日 16:00 まで)

僕が幼かった頃の恐怖。それは決まって寝る前に起きる。明日の朝、目覚めたら、お父さんとお母さんが居なくなっていたらどうしよう・・・。学校へ行って誰も来なかったらどうしよう・・・。
なぜか電気を消して布団に入ると、自分一人が取り残される状況を想像し、寝るのが怖くなった。

こうして書くと自己否定的な子供だと思われるかもしれないが、そうでは無い。
両親や先生、友達と繰り返される、ごく平凡な毎日がただ楽しくて、それが永遠に続く事を願っていたのだと思う。
僕は20年前に父親を癌で亡くしているが、父との記憶を辿ると、真っ先に浮かぶのは週末の晩御飯の食卓。
食べているのはジンギスカン。全くごくごく普通の光景だ。

そんな僕が写真を始めたのは2005年。
被写体は普段通りの街とそこを行き交う人。
自分が意識の素粒子と呼んでいる、記憶の中の最小単位のような一場面。

でもそれから日本、世界の様々な国々で、目覚めたら全てを奪われているような出来事が起き、自分の思考は少しづつ変化していった。それは、ごくごく普通にそこで暮らしている日々こそが、実は特別な時間なんじゃないか。そこに本当の人の幸せが詰まっているのではないかという思い。

だから僕は15年間旅を続け、絶対に失いたくない、街と人との日常を撮っている。

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