Roonee 247 Fine Arts(ルーニィ・247ファインアーツ)

Exhibition

Room 1企画展

トーキョーオセロ

栗原亜也子

会期:2023.03.21(TUE)- 2023.04.02(SUN)

12:00-19:00(月曜休廊 最終日16:00まで)

「トーキョーを、オセロする」

わたしは今日もトーキョーを歩いている。
この街のことはよく知らない。
高いビルの窓から街を見おろす。 いつ何が建てられて何がいつ壊されているのだろう。 昨日まで存在したはずの「それ」が何だったか、今日はもう思い出せない。

歩きながら目に入る住宅や商店の壁、工事現場のフェンス、足もとのタイル、遠くに見え るビル群。 たくさんのグリッドがひしめくこの街の風景を切り取って、オセロ・ゲームを始めてみよ う。

キャンバスや写真、紙、布、石、アクリル板などあらゆる素材や支持体をゲームの盤面に 見立て、「オセロ・ゲーム」のルールを引用しながら二色の絵の具を交互に塗りかさねて いく「オセロ・ペインティング」を継続して制作しています。

ルールに沿って進めるオセロ・ペインティングは、ひとりで行う場合でも誰かが参加して 対戦形式で進める場合でも、まずは画面の中心に二色のドットを2つずつ配置するところ から始まります。中心から外側へとドットは隣接しながら増殖し、白と黒(positive/ Negative)の景色は絶え間なく変化します。 塗りかさねた二色の絵の具は混ざり合い、時にはみだしたりずれたりしてしまうがゆえ に、陣取りゲームとしての勝負の進捗があいまいなまま二色のドットが通常のオセロ・ ゲームの盤面を越えて自身がコントロールできないコンポジションを形成します。 グリッドの数と制限時間さえ定めなければ、それは無限に大きな絵画を生産するかもしれ ません。

その様子はまるで人間同士の関わり合いや世界の在り方のようで、わたしはメタファーと しての”コミュニケーション”や”境界線””支配と被支配”といったキーワードを制作の過程 に取り込みつつ、最終的には物質的な厚みをまとったペインティング作品を行為の痕跡と して提示しています。

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