Roonee 247 Fine Arts(ルーニィ・247ファインアーツ)

Exhibition

Room 2企画展

グレンフェルという町

後藤桂子

会期:2023.03.21(TUE)- 2023.04.02(SUN)

12:00-19:00(月曜休廊 最終日16:00まで)

私には高校時代の親友で、農場夫の奥さんになって、オーストラリアの田舎の人口2000人にも満たない町に住んでいる友がいる。2012年12月真夏の摂氏42度の中、1055km運転して暫くぶりに会いに行った。

12月は、農場にとって忙しい時期で、彼女の農場でも4000頭の羊の毛刈り、1200エイカーの小麦とキャノーラの収穫をしなければならない。特に羊の毛刈りは、人間の赤ん坊の出産よりも大変と、羊の毛刈り達は言うけれど、これには賛否両論ある。まあ、少なくても出産の方が時間的には早く終わるという事で意義無くなった。

穀物の収穫には、時期選びに神経を使う。雨の時期である。雨は、穀物の成長の時期に降ってもらいたく、収穫の時には、降ってほしくない。収穫した小麦は、すぐその場で、タンパク質と水分の量の検査をされ、値段がその場で付く。水分が多いと、一年の収入が激変するのである。また、種をまいて芽が出たときに雨が降らないと、枯れてしまい、また種まきをしなければならない。雨の時期、量は、農夫にとって死活問題である。そのため、それぞれの農場では、かならず雨量計がある。

農夫どうしの挨拶には、必ず「君の所は雨何ミリいつ降った?」が必ず出てくる。ちなみに、私達がお邪魔した12月から3カ月間に、雨は1度しか降っていない。

私は、自分の生活と彼らの生活の価値観の違いに興味を持った。農場では、「用をなさない動物は、すぐタダ食いとみなされ処分される。都会に住む私達は、ペットの動物には癒しを求め、お金を使う。どちらが正しいを言う議論ではなく、価値観の違いが面白いのである。

とにかく良く働いた1日の後には、夜空満天の銀河の下で、信じられないような静けさの中、彼らが一万個のブロックを自分達の農場の土から作り、2年かけて自分で建てた家で床に就いた!何とも私には到底できない、大地にしっかり両足をつけた生活を彼らは送っている。40年以上前一緒に学校に行っていた親友、大学も一緒だった友である。

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Event : “Art and Coffee” with Keiko Goto

日時:3月21日 朝10:30〜12:00
会場:ルーニィ・247ファインアーツ Room2
参加費:¥1,000-
お申し込み:mosimosi@roonee.jp
*お名前と人数を明記の上、お申し込みください。
7名程度

後藤桂子さんのお話を、オーストラリアのクッキーと美味しいコーヒーと共に楽しむ会を開きます
高校時代から、ご家族の仕事の関係でオーストラリアで過ごしてこられた後藤さん。
オーストラリアも広いですが、後藤さんが見てこられたその風土と暮らし、
オルタナティブプロセスでの作品の制作などについてお話しを伺います。

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